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足関節背屈制限に対する理学療法

 

一般的には、拮抗筋の短縮や、関節の遊び(joint play)の減少などがある。

今回は、運動軸の変位に着目していく。

 

代表的な運動軸の偏位は3つ存在する。

① 背屈運動に伴う過度な足部外転

①-1 中間域から足部外転を伴って足先が外に向く

①-2 初期から足部外転を伴って足先が外に向く

 

原因

・距腿関節外側関節面の可動性(すべり)が、内側より大きい

距骨下関節内側の軟部組織や屈筋支帯、脛骨内果後下方(長母指屈筋、長趾屈筋)の短縮

 

②中足部での横アーチ挙上を伴った内返し

→多くの場合は三日月様足部を呈する。

 

※三日月様足部とは・・・

下肢荷重位での動作指導、筋力トレーニングにおいて(下腿前傾動作など)、母指球荷重を強調された場合に長腓骨筋の活動が優位となった結果、横アーチの挙上が起き、小指側接地、足趾屈曲が起きる。

三日月様足部は、踵骨内反位となりやすい。

 

原因

前脛骨筋の過用→内側楔状骨の引き上げが起き内反する

長腓骨筋の過用、短縮→横アーチが挙上し足関節背屈(下腿前傾)制限が起きる

小指外転筋の緊張亢進により長腓骨筋の挟み込み

→三日月様足部による初期接地時の過度な踵骨の倒れこみ、前足部の過回内、下腿の過内旋により、小指側の荷重増加の結果

 

③足部外転位の定着化

内反捻挫などで距骨下関節の回外不安定性を代償し、外転位へ

結果として踵腓靭帯などの短縮が起き、悪循環へ

 

 

足関節背屈制限に対する理学療法 大工谷 新一