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ディープ・フロント・ライン【DFL】【アナトミートレイン】

 

アナトミー・トレイン [Web動画付] 第3版: 徒手運動療法のための筋筋膜経線
 

 

目次

 

概要

前額面では、左右のLLの間に位置し、矢状面ではSFL、SBLに挟まれ、SPL、FLに囲まれている。すなわち全体の中心に位置している。

深層の足底部から起始し、下腿の前側と膝の後部を上行し大腿へ入る。

主要路線は股関節、骨盤、腰椎の前側を通り、代替路線は大腿背部から骨盤隔膜まで上行し腰椎で主要路線と再接続する。腰筋-横隔膜接合部から、胸部内蔵周囲を通る代替経路や胸部内蔵を通過する代替路線に沿って胸郭を上行し、神経頭蓋と顔面頭蓋の下面で終止する。

 

他のラインと比較すると3次元で定義する必要がある。

骨盤を通るDFLは股関節と密接に関わっていて、呼吸リズムと、歩行リズムの相互関連作用を有す。

体幹は神経運動「シャーシ」と腹腔内の器官とのバランスを、自律神経節と共にとっている。

頚部は、SFL、SBLの牽引に拮抗した引き上げ作用をとる。

 

姿勢機能

・内側縦足弓を引きあげる。

・下肢の各区分を安定させる。

・腰椎を前方から支える。

・胸部を安定させ、呼吸のリズムを保つ。

・脆弱な頚部とその上にある頭部のバランスを保つ。

 

運動機能

厳密なDFL起因の運動はない。(股関節内転、呼吸運動は例外)

DFLは遅筋が多く、浅層の構造と容易に相互作用をとれるように中心構造を安定させ、わずかな位置変化を起こさせる。

従って、明らかな機能不全をもたらすわけではない。

 

姿勢代償パターン

・慢性足底屈曲 ・凹足 ・扁平足 ・回内外足 ・内外反膝 ・骨盤前傾

・骨盤底不全 ・腰椎アライメント不良 ・呼吸制限 ・頸椎屈曲/過伸展

顎関節症候群 ・嚥下困難 ・言語障害 ・体幹偏位

 

詳細

【全身の最下部】

骨の駅   筋筋膜経線
底側足根骨、足趾の底面 1  
  2 後脛骨筋
脛骨/腓骨の上部、後部 3  
  4 膝窩筋膜、膝関節包
大腿骨内側上顆 5  

 

【下後部】

骨の駅   筋筋膜経線
大腿骨内側上顆 5  
  6 後筋間中隔、大内転筋、小内転筋
坐骨枝 7  
  8 骨盤隔膜筋膜、肛門挙筋、内閉鎖筋筋膜
尾骨 9  
  10 仙骨筋膜および前縦靭帯
胸腰椎椎体 11

 

【下前部】

骨の駅   筋筋膜経線
大腿骨内側上顆 5  
大腿骨粗線 12  
  13 前筋間中隔、短内転筋、長内転筋
大腿骨小転子 14  
  15 腰筋、腸骨筋、恥骨筋、大腿三角
胸腰椎椎体 11  

【上後部】

骨の駅   筋筋膜経線
胸腰椎椎体 11  
  16 前縦靭帯、頚長筋、頭長筋
後頭骨基底部 17  

【上中部】

骨の駅   筋筋膜経線
胸腰椎椎体 11  
  18 横隔膜後部、横隔膜脚、腱中心
  19 心膜、縦隔、壁側胸膜
  20 椎前筋膜、咽頭縫線、斜角筋、内側斜角筋筋膜
後頭骨基底部、頚椎横突起 17  

【上前部】

骨の駅   筋筋膜経線
胸腰椎椎体 11  
  18 横隔膜後部、横隔膜脚、腱中心
  21 横隔膜前部
肋骨下後面、軟骨組織、剣状突起 22  
  23 胸内筋膜、胸横筋
胸骨柄の後側 24  
  25 舌骨下筋、気管前筋膜
舌骨 26  
  27 舌骨上筋
下顎骨 28  

 

 

最後まで読んでいただきありがとうございました。

今回で、アナトミートレインのライン全種類修了です。