スーパーフィシャル・フロントライン【SFL】【アナトミートレイン】
目次
概要
スーパーフィシャル・フロントライン(Superficia Front Line;SFL)は、足背から頭蓋側面まで、身体の前面全体を接続している。この筋筋膜経線は趾指から骨盤と、骨盤から頭までの2つの部分からなる。立位で股関節伸展位の時に、1本の経線となる。
姿勢機能
・SBLとバランスを取り、恥骨、胸部、顔を持ち上げるために、上から張力で支える。
・膝関節の伸展位の維持。
・SBLとバランスを取り矢状面方向の姿勢に関与する。
・筋膜の動きとしては、SFLは下方へ、SBLは上へ移動することが多い。
運動機能
体幹、股関節の屈曲、膝関節の伸展、足関節の背屈
詳細
表:SFLの筋筋膜の路線と骨の駅
骨の駅 | 筋筋膜経線 | |
15 | 頭皮筋膜 | |
乳様突起 | 14 | |
13 | 胸鎖乳突筋 | |
胸骨柄 | 12 | |
11 | 胸骨筋/胸骨軟骨筋膜 | |
第5肋骨 | 10 | |
9 | 腹直筋 | |
恥骨結節 | 8 | |
AIIS | 7 | |
6 | 大腿直筋/四頭筋 | |
膝蓋骨 | 5 | |
4 | 膝蓋下腱 | |
脛骨粗面 | 3 | |
2 | 短趾伸筋、長趾伸筋、前脛骨筋、前下腿区画 | |
足趾骨の背側面 | 1 |
SFLは足趾先端を起始とする腱から始まる
⇒外側から、第3腓骨筋の腱
内側から、前脛骨筋腱 が加わり上行する。
SFLも2本存在し、SFLの短縮が起きる。それが、胸郭(肋骨)を恥骨へ近づけてしまう。
代償パターン
・足関節底屈制限
・膝関節過伸展
・骨盤前傾、前方移動
・前肋骨可動性低下と呼吸制限
・頭部前方位姿勢
下腿
・支帯の上下で下腿筋膜と前脛骨筋の癒着
・下腿前傾位が問題となることが多い。⇒上方へ移動を促す
大腿
大腿直筋と、他四頭筋の関係(SFLには厳密には直筋のみ分類される)
↳縫工筋、大腿筋膜張筋の方が直筋起始部と比べ浅層に存在する。
脱線
ASIS→恥骨へ脱線する。⇒矢状面運動で考えると直線になる。
=寛骨…機能的結合
腹直筋
第5肋骨(浅い)⇔恥骨(深い)
⇒上方から外腹斜筋筋膜へ入り、内腹斜筋膜は分離し、腹直筋を囲む。弓状線で腹横筋の後方へ位置する。
胸郭
第5肋骨での筋膜の停止は見られない。
胸鎖乳突筋は、立位姿勢にて、下部頸椎は屈曲方向、上部頸椎は過伸展方向に働く。
運動療法
体幹の伸展運動
股関節伸展
ブリッジ運動
最後まで読んでいただきありがとうございました。
*1:アナトミートレイン