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筋膜配列の生理学

 筋膜配列の生理学 概要

筋膜配列は運動によって生じるいかなる量の伸張も感知できるように、筋繊維によって張力をかけられている。

・運動の特定の方向に連結される身体の特定の領域に位置する。

・明確な面での身体安定性を保証する。

・姿勢の順応を通して高密度化を補正できる。

 

筋膜配列の張力

筋膜配列は伸長されるように設計されている。

そのため、伸長時に筋膜内に位置する受容器の活性化を図る。

 

筋受容器

・筋紡錘:伸張

・ゴルジ腱器官:伸長

・パチニ小体:張力をかける

・自由神経終末:張力

 

関節受容器

・ルフィ二小体:最小限の伸張

・ゴルジ小体:最大限の伸張

・パチニ小体:運動の開始と終了

・自由神経終末:機械的刺激

 

特定の方向で生じる運動を知覚する。

末梢傾向があり、運動の正確な認知と知覚を可能にする。

例)歩行時、3つの面で筋膜は協調して筋力を同期させる。

 

 

静的姿勢と筋膜配列

・筋膜配列の縦線維は姿勢の体系に関与している。

・螺旋筋膜内線維は複雑な運動体系を組織化する。

 

○姿勢調整の仕組み

アライメント不良により身体動揺が増え、立位基底面外に重心が偏倚すると、筋膜の張力が筋紡錘を刺激し、筋収縮を得る。

 

○姿勢代償

筋膜の張力が高密度化によって変性すると、受容体が反応し、疼痛信号を出す。

⇒姿勢代償し、中和する。

 

張力の変性によって、

①配列に沿って他の筋膜単位の反張力を起こす。

例)大腿筋膜張筋の牽引力増加に伴い、腓骨筋群の反対方向への牽引力増加

=急性痛(自由神経終末の伸張)

②対側の反張力(拮抗筋)

例)大腿筋膜張筋に対して、膝-内方の組織の反張力で代償。

 

 

3面における足部から生じる上行性代償の具体例

前額面

足部アーチ低下(偏平足)

外反膝、内方偏倚し、大腿筋膜張筋の活動⇓

⇒腸骨稜の下制・・・股関節外転位

⇒脊椎の同側側屈

⇒脊柱の代償性対側側屈

⇒肩関節の内外転が起きる。

頭部は水平位を保とうとするため、頚部筋のインバランス、筋膜性頭痛の誘発へ。

 

矢状面

槌趾

⇒下腿三頭筋の収縮力上昇

⇒足関節底屈位

⇒膝関節過伸展

⇒骨盤帯前方運動・・・腸腰筋の短縮

⇒腰椎前弯

⇒胸椎、頚椎の代償へ。

 

水平面

片側の外反母趾

⇒前足部の内旋(足趾-内旋)

⇒腓骨筋群の収縮による距骨の外反代償

⇒膝・股関節内旋し、骨盤は前方へ移動

体幹代償は対側性のため、対側の肩甲帯は前方回旋する。

⇒頸椎、腰椎はインバランスを中間位へ戻そうと、体幹筋は過緊張する。

 

 

最後まで読んでいただきありがとうございました。