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アームライン【AL】【アナトミートレイン】

 

アナトミー・トレイン [Web動画付] 第3版: 徒手運動療法のための筋筋膜経線
 

 

目次

 

 

概要

腕や肩は多様な可動性を維持するため、4本のラインが存在する。

母指、小指、手掌、手背まで、制御・安定させる。

⇒上肢前面と後面、深層、浅層の4本

 

姿勢機能

構造上の「支柱」となることはないが、姿勢機能を持つ。

肘関節からの緊張は背部へ影響を及ぼし、肩の位置異常は肋骨、頚部、呼吸機能を担う。

 

運動機能

上肢手指が物体を引き寄せる、押しのける、身体を牽引、押すことを安定させる。

ALはLL,SPL,Functional Line(FF)と接続する。

 

詳細

姿勢代償パターン

手根骨、肘、肩のインピンジメント、トリガーポイント痛、肩関節の後退、挙上、回旋

⇒胸郭からの支えが弱い

 

SFAL;Superficial Front Arm Line 上肢前面(手掌筋、前腕屈筋、筋間中隔、大胸筋)

SBAL;Superficial Back Arm Line 上肢後面(僧帽筋三角筋、外側筋間中隔、手指伸筋)

DFAL;Deep Front Arm Line   上肢前面(母指球筋、橈骨、上腕二頭筋、小胸筋)

DBAL;Deep Back Arm Line            上肢後面(小指球筋、尺骨、三頭筋、回旋腱板、菱形筋、肩甲挙筋)

 

DFAL

骨の駅   筋筋膜経線
3-5肋骨 1  
  2 小胸筋、鎖骨胸筋筋膜
烏口突起 3  
  4 上腕二頭筋
橈骨粗面 5  
  6 橈骨骨膜
橈骨茎状突起 7  
  8 外側側副靭帯、母指球筋
舟状骨、大菱形骨 9  
母指外側 10  

起始部:小胸筋、鎖骨胸筋筋膜

↳短縮を示す場合

1)肩、肋骨が密接に働き、吸息時の上部肋骨の動きを制限しているとき

2)上肢の屈曲、挙上制限

3)肩甲骨が前傾

・ストレッチ

後ろで手を組み、下方向へ伸張する。

 

SFAL

骨の駅   筋筋膜経線
鎖骨内側1/3、肋軟骨、胸腰筋膜腸骨稜 1,2,3  
  4 大胸筋、広背筋
上腕骨内側線 5  
  6 内側筋間中隔
上腕骨内側上顆 7  
  8 手根屈筋群
  9 手根間
指の掌側面 10  

DFALの浅層に位置する。

大胸筋、広背筋の間にほぼ円形の付着部をもち、腕の動きを制限する。

・ストレッチ

背臥位でベッドから腕を外に出し、肩関節を内旋させる。母指は上向きにする。

 

DBAL

骨の駅   筋筋膜経線
下部頸椎及び上部頸椎棘突起、C1-4横突起 1  
  2 菱形筋、肩甲挙筋
肩甲骨内側縁 3  
  4 腱板筋
上腕骨頭 5  
  6 上腕三頭筋
肘頭 7  
  8 尺骨骨膜
尺骨茎状突起 9  
  10 尺骨側副靭帯
三角骨、有鈎骨 11  
  12 小指球筋
小指外側 13  

上部胸椎からC7棘突起で、起始し菱形筋を通って下行し、肩甲骨の内側縁まで走る。

下肢のLLに相当する。

 

SBAL

骨の駅   筋筋膜経線
後頭骨稜、項靭帯、胸椎棘突起 1,2,3  
  4 僧帽筋
肩甲棘、肩峰、鎖骨外側1/3 5  
  6 三角筋
三角筋粗面 7  
  8 外側筋間中隔
上腕骨外側上顆 9  
  10 手根伸筋群
指の背側面 11  

後頭骨稜から、胸椎棘突起(僧帽筋)に起始する。三角筋僧帽筋の各線維に対応。

筋間中隔・・・屈筋と伸筋を分ける

 

交通配列

多自由度⇔蝶番板と様々な役割がある

上腕 深層・・・筋性 

   浅層・・・筋膜性

前弯・手指

   深層・・・筋膜性

   浅層・・・筋性

肩  浅層・・・筋膜性